昔は米が貴重な現金収入源だった。
だから販売に回すため様々な方法で節米に心がけた。
その一つとしてくず米を粉にしたものをだんごにして味噌汁に入れたり、まんじゅうにして食べることが多くの地域で行われた。
群馬県利根郡新治村(現みなかみ町)では間食としてくず米粉のおやきをよく食べていたという。
作り方は次のようであった。
くず米粉を、耳たぶぐらいのやわらかさに熱湯でこねる。一方、小豆あんは、つぶしあんにして玉砂糖、少々の塩で味つけしておき、これをくず米粉をこねたものに入れて丸める。ふだんは砂糖を使わないことも多い。
最後にこれを、ゆでるかふかす。
これを作ってみることにする。
くず米粉は手に入らないので上新粉を使った。
あんは以前作って冷凍しておいた砂糖無しの小豆あんである。
次のような手順で作った。
- 上新粉100gを熱湯80mlでこねる
- こねた生地を2つに分けて丸める
- 手で薄くひろげ、あんを40gずつ包む
- せいろで15分蒸す
完成したのがこちら。
食べてみると小麦粉で作ったものより歯ごたえがある。
かたいと言えなくもないが、これはこれでおいしい。
甘くないのでおやつという感じはしないが、昔の間食は4回目の食事という要素が強いのでこれでもよかったのだろう。
僕は昼食として食べた。
本来はくず米粉で作るのだから、もっとまずかったのだろうが、それを味わう方法がないのが残念である。
そもそもくず米がどんなものかイマイチわからないのだが、玄米粉で作れば少しは近いものになるだろうか?
いずれやってみたいと思う。
参考文献
「日本の食生活全集 群馬」編集委員会『聞き書 群馬の食事』農山漁村文化協会、1990年