「そばけもち」(そばがき)も冬の夜の日常食である。そば粉に水を加えながら火にかけて、少し固めに練りあげる。熱いところを、家によっては大根おろし醤油をつけたり、ねぎ味噌をつけたりして食べる。けもちのときには、じゃがいも、にんじん、ねぎ、などの味噌汁をつける。
「日本の食生活全集 岩手」編集委員会『聞き書 岩手の食事』p125
岩手県中央部での聞き書です。
この献立を再現してみました。
そばがき作り
そばがきはお椀にそば粉を入れて熱湯をかけてかき混ぜる方法でしか作ったことがありませんでした。
聞き書では鍋で作る方法をとっているので、今回はそれに挑戦してみようと思います。
「そば粉に水を加えながら火にかけて」というのは難しそうだったので、ネットで調べて作りやすそうなやり方でやってみました。
分量はそば粉100g、水250mlです。
まず鍋に入れたそば粉に、水を何回かに分けて入れながらかき混ぜます。
握りやすいように割りばしを4膳使っています。
水を全部入れました。
かなりゆるいです。
固まるか不安。
次に強火で加熱しながらかき混ぜます。
なかなか固まらないと思って10分近くかき混ぜていたら、こんな状態に。
鍋の底や側面にくっついてしまっています。
これ以上はどうやっても固まらないと判断して火を止めました。
もっと固くひとまとまりになると勝手に思っていたのですが、こういうものみたいです。
お椀にもってみると思ったよりまとまっていました。
とりだした後の鍋がこちら。
そばが分厚くこびりついて後が面倒そうです。
食べた感想
聞き書どおり、おろし醤油と味噌汁を用意しました。
そばがきを食べてみると、すごくなめらかで、弾力のあるプリンという感じの食感です。
やわらかいですが、箸でたべられます。
お椀で作るやり方だともっと粉っぽいし、そばの香りが強くてちょっと苦手だったのですが、これは本当に食べやすくておいしい。
大根おろしもとてもよく合います。
今まで作ってきた昔の主食の中でもトップクラスにおいしかったです。
昔の食事の再現とか関係なくたまに食べたいぐらい。
米にくらべるとだいぶ値が張るところがネックではありますが。
聞き書では「少し固めにねりあげる」とあるので、今度は水を減らしたものも作ってみたいですね。
それと今度は焦げ付かせずスマートに作りたいです。