昔はもち米が貴重だったので、もちを搗くときに他の物を混ぜてカサを増やすことがよくありました。
その1つに粉を練ったものをもち米と一緒に蒸して、それを搗いてつくるもちがあります。
たとえば愛知県の稲沢ではそれを「粉もち」と呼んでいたそうです。
米の粉(家によっては小麦粉)などの粉を練って蒸し、一緒に搗きこむものは「粉もち」と呼ぶ。(中略)ひまなときや雨で仕事ができないときに搗いて食べる。
「日本の食生活全集 愛知」編集委員会『聞き書 愛知の食事』農山漁村文化協会、1989年、p141
日常食よりのもちみたいです。
今回はうるち米の粉である上新粉をもち米と一緒に搗いてみようと思います。
餅つき機で粉もちを搗く
粉もちの作り方は次のとおりです。
米の粉に熱いお湯を注ぎながらよく練る。それを手のひらでだんごにちぎって、もち米とともに蒸して搗く。
同上、p143
のし板にのせてのばし、少し固くなったら角もちに切って、焼いて食べる。
今回は
- もち米 250g
- 上新粉 500g
- 熱湯 350ml
で作りました。
まず上新粉を熱湯で練ってだんごにちぎります。
それをもち米と一緒に餅つき機に入れて蒸します。
もち米は団子の下にかくれています。
蒸しあがったところがこちら。
これを搗きます。
10分ほどついたら完成。
搗きたてで食べる分だけちぎり、
残りをのしもちにします。
搗きたての粉もちを食べる
搗きたてはもちというよりだんごみたいです。
きな粉をかけて食べました。
かわいてしまって、きな粉が全然くっつかず、かけただけになってしまいました。
味もほとんどだんごであまりおいしくなかったです。
粉もちを焼いて食べる
のしもちにした粉もちは焼いて食べます。
オーブントースターがないのでフライパンにフライパン用ホイルを敷いて焼きました。
もち米が全体の1/3しか入っていないせいかほとんどふくらみません。
それでも搗きたてにくらべれば、ちゃんともちらしくておいしそうに見えます。
これに醤油をつけて食べました。
全然のびません。
それでも味は搗きたてより断然もちらしくておいしいです。
普通の餅よりさっぱりしている印象です。
もち米の比率をふやしたらもっとおいしいと思います。
おわりに
今回はもち米と上新粉を一緒に搗いた粉もちを作りました。
上新粉の比率が高かったので、搗きたてはもちというよりだんごみたいでしたが、のしもちにして焼くとちゃんともちらしくなりました。
もちに搗きこむ粉は、米粉のほかにも小麦粉・そば粉・ひえ粉・とうもろこし粉など地域によっていろんな種類があります。
一つ一つ試していきたいと思います。